2014年2月15日土曜日

オバケ飲み会

昨日、バーバーフィッシュを久々に観に行って踊りまくってご機嫌になった。



帰りがけ吉祥寺で1杯だけ飲もうと思って、飲み屋街の奥の奥の怪しげな店に入ったら、もう終わりだけど、1杯だけならいいよ。とマスターが言うので、お言葉に甘えて、店に入った。


1杯が2杯、3杯とすすむにつれて、いつしかマスターの説教(人生論)が始まって、お前はなにもわかってない全然ダメだ。ペッだ。などと言いながらも、さらに酒をついでくれるので聞き流しながら、酌み交わしていた。


マスターは65歳なんだけど、話してるうちにだんだん若く見えてきて、やがてタメくらいに見えてきて、不思議だなあと眺めていた。



マスターがどこからかギターを持ってきて、お前歌ってんなら歌ってみろ。ていうから、また文句いわれんだろうなあ。と思いつつ、歌った。


歌い終わってマスターを見たら、しくしく泣いてた。そして、お前いいよ!と言ってくれた。


それからボブディランとか一緒に歌って過ごした。


途中でふと、マスターと2人きりだと気づいて、あれ?みんなどこにいったんですかねえ?と聞いたら、お前大丈夫か?と言われた。


たしかに4・5人いたんだけど、あれは音楽好きな吉祥寺の幽霊か。


いろいろとチャンポンするからかもしれないけど、こういうのはときどきある。


この前、京都の磔磔でライブリハーサルしてるとき、4人で演奏してるのに、なんだか5人いた。そんな時はいい音が出たりする。



そういえば、話かわるけど、大阪で1日休みの日があって、踊ってばかりの国の下津の弾き語りや曽我部さんの弾き語りなどの催しを古いビル貸し切ってやってるご機嫌なパーティーを観に行った帰り、ふらふらとたどり着いた飲み屋街のこれまた奥の奥の怪しげな赤いランプがドアの上に光っている小さな店に入ったんだけど、まず、店のテーブルから椅子からなにからめっちゃくちゃに散乱してて、足元には服が裂けて、顔が腫れ口から血の出てる男がぶっ倒れていて、角の方にも、ぐちゃぐちゃに散乱した椅子にのけぞるようにして裸の男が1人倒れていた。


そして目の前に、上半身裸、びっしり刺青の入ってるムキムキな男が立ってて、ふーっふーっと鼻息荒く背中を揺らしながら顔をあげた。とたん目が合った。店に入ってから、その間1秒。

なんとなーくこの人が店のマスターなのかなあと思って、あえて元気に、お店やってます?と聞いたら、すごく大きくキュギャギャー!と奇声をあげなさった。


そのまま店を出ることも出来たんだけど、結構いい曲がかかってたし、こういう曲をかけるんなら、そんなに悪い人でもなかろうと思って、なんか異次元だし、せっかくだから1杯飲んで行くことにした。


で、やっぱりこのマスターがマジデヤバくて、たぶん結局1時間くらいお店にいたと思うんだけど、その間ずっと発作のような奇声をあげつづけてた。ギギギーッ!とかヴァグォー!とか。悪酔いしてたのかな。言葉はなにひとつ喋らない。というか、言葉を忘れちゃってる風にも見えた。


そんなだけど、ビールくださいって言ったら、奇声あげながらもついでくれて(結構こぼしてたけど)ぼくはカウンターに座ってちびちび飲みながら音楽聴いて、ちょっと踊ったりして、それなりにいい感じになってた。ふと横見ると、それまで気づかなかったんだけどカウンターの端の暗がりに存在感を消した男が1人座っていて、彼も目の横がすごい腫れ上がってて、椅子に座ってるんだけど、正座して下を向いてるような面持ちであれは泣いてたのかもしれない。うん、たぶん、マスターに殴られたんだろうね。


つまり、店にいる人は後ろの床で気絶してる2人と、カウンターの隅で反省させられてる1人と、ゆらゆら踊ってるぼくと、時折発作のように奇声あげながら頭振ってるマスター。地獄ってこんなかもね。


実はこの狂ったパーティーをどうやって抜け出したか記憶がないんだけど、次の日どこも腫れてなかったから、ぼくは殴られずにすんだみたい。


マスターとコミュニケーションをとってみようと試みて、ああ、これは完全に無理だな。と諦めたあたりまで覚えてる。あれはセミに話しかけてるような感覚だった。


で、意識トンで次の場面が味穂(大阪B級グルメの殿堂)のカウンター

はたと気づいたら1人座って酒のグラスを見つめてた。
2人で笑いながら楽しく飲んでたんだけど、いつの間にか相方が居なくなってる。目の前には1人分の酒とつまみ。あれ?と思って、カウンターの向こうで料理作ってるおっちゃんに、あの〜ここにいた人知りません?て聞いたら、兄さん、ずっと1人ですよ!大丈夫?て言われた。え、ぼくもしかしてずっと1人でした?て言ったら、なにをいっとるんや、ほんま大丈夫かいな?お酒もうそれくらいにしとき。てなことを言われた。でもたしかに、乾杯をして一緒に飲んだんだ。


たぶん、あの狂ったバーで気のあったオバケと意気投合して、おっしゃ!次の店いこーぜ!てなったんだろうね。


正に狐につままれるを体験。


でもなんか、味穂飲み楽しかった。心にちゃんと、楽しく飲んだときの、心の通じたあのあったかい感じがのこってる。

ちなみに勘違いされないように言っとくと、ぼくはいわゆる霊感はまったくないです。ただの酔っ払いです。






と、いった感じで、こういった不思議なことは飲み過ぎると、ときどき起こるんだけど、昨日の店でも同んなじ感覚になって、面白かった。

あんなに説教してきたマスターとも音楽を通じて一瞬で仲良くなれたし。めでたしめでたし。


ちなみにペッ!がマスターの口癖。例:そんなのペッじゃ!
ペッて一晩で30回は言ってた… パンクな人です。35年店やってるみたい。店の名前は、忘れた。


また変な飲み屋があったら書きます。


そうそう、ぼくが言いたかったのは。バーバーフィッシュのライブが最高だったってこと。


バーバーフィッシュは今年新譜出すんだけど、相当いい感じみたい。楽しみ!

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