夜の青に染まって全ての紫陽花を重ねて
暗闇に消えそうなほど
心の色をしていた
好きな花は紫陽花と答えた
紫陽花の人が
好きな理由に眠る
小さなころは
花に興味はなく
その下のまた下にノソノソといた
かたつむりに夢中だった
ゆっくりゆっくりと歩み
葉っぱをバリバリと食べ
にょきにょき目を伸ばし
夏になると消えていった
アスファルトを這うかたつむりの夢に
向日葵が咲いていて
はぐれて
車に踏まれた
粉々の殻を
傘をさした
少年が
しゃかんで
見つめていた