andymoriのこの曲がずっと頭の中で流れてる
松本です
いつもの現場へと出発し、いつも通り自転車に乗っていつもの駐輪場に自転車を置いたとき、財布がないことに気づいた
そういえば、家を出る前バタバタしてたので、家に忘れたのだと思い、急いで駐輪場を出ようとしたんだけど、お金がないから出れず、仕方なく駐輪場の事務所へ行き、事情を話し、扉を開けてもらった
雨がしとしと降ってきた
自転車を漕ぎながら、色々考えが巡る
家を出る直前に電話がかかってきて…
ヘッドホン外して…
電話しながらドアの外に出て…
鍵をかけようと思って…
財布を忘れてることに気づいて…
電話切って…
部屋に入って… また電話かかってきて… ヘッドホン外して、そっからどうしたっけ?
財布に鍵が入ってるわけだから、部屋に忘れてるなら、鍵をかけずに来たということか…ときどき鍵かけ忘れるから、ありえるよな…
などと思ってるうちに、マンションに着いた
急いで部屋に入ろうとしたら鍵がかかっていた
やっぱり落としていた
とりあえず通った道を探してみようと思い、また自転車を漕いで駐輪場へ向かう
さっき戻って来るときは見当たらなかったけど、家にある確率を信じていた分、ちゃんと道の隅まで見てなかったので、もしかしたら落ちてるかも…
と思ったが、駐輪場までの道には落ちてなかった
道すがら、すれ違う人がみんな財布泥棒に見える
いやいや、あんな子供連れの主婦や、人の良さそうなおじさんが拾って盗むわけないだろ
そうだ、駅前の派出所に届いているかも!
と思い、派出所へ行ったが届いておらずとりあえず落し物の届けを出した
若い婦警のゆっくりな対応にイラつく自分にイラつく
家に入れたら少しはお金があるが、財布に鍵が入ってる
かみさんは、来週までツアーだ
なにより、一番の問題は今日の現場が何度も念を押された絶対遅刻してはならない現場だということだ
さて、困った
後悔が巡る
落とした財布には、ズボンに引っ掛けて繋ぐことのできる紐が付けてあって、最悪ポケットから落ちてもブラーンとなってすぐに気づくはずなんだけど、いかんせんこの日はゴムのゆるくなったスウェットパンツを履いてたから、きっと引っ掛かりが弱くてストンと落ちてしまったのだ
なんで、よりによってこのスウェットを履いてしまったのだろう…
しかも、いつもは持ち歩かないレコーディング用の大きなヘッドホンで、好きなラジオ番組のYouTubeを大音量で聴いていたから、落とした音に気づけなかったのだ
なんでこんな大きなヘッドホンして出かけちゃったんだろう…
しかし、落ち込んでる暇はない、刻一刻とタイムリミットは迫っている
というか、もう絶対大遅刻だ
とにかく部屋にある金を手に入れなければと思い、マンションの管理会社に合鍵をもらいに行くことにした
雨が強くなってきたが、傘もささずに
通って来た道をもう一度くまなく探す
管理会社へ向かう途中に自宅マンションがあるので、もう一度中に入ってエントランスなどもチェックしてると、ふと
『ここから登ればうちの部屋のベランダに侵入できるなあ…』
と、越してきたときに外壁を見ながら思ったことを思い出した
すかさずマンションの外に出て、その場所へ行き外壁とベランダを見上げる
鍵をかけてない窓があったはずだ
登るとなるとかなり大変だろう
しかも雨で濡れた壁は滑りそうだ
しかし、管理会社まで行って合鍵をもらっていたら部屋に入れるのは、あと1〜2時間後になるかもしれない
ぼくはとっさに壁に飛びつき、配管を掴み猿のように登り始めた
最初は、結構いけるぞ!と思ったが、すぐに登り始めたことを後悔した
10年前ならあっという間に登れていただろう
運動不足の40才という現状…
途中で登ることも降りることもままならなくなり、ベランダに手をかけた状態で固まった
雨が目に入る
なんでこんなことになったのか
力がもうわずかしか残っていない
次のアタックが失敗したら落下するだろう、夢ならいいのに
でも、もう進むしかない
最後の力を振り絞って、懸垂し、足をバタバタさせてどうにか片足が壁の引っ掛かりに引っ掛かり、ぐいとアゴを手すりに乗せ、ぐいぐいと這い上がり、力尽きる寸前にどうにか上体を手すりに乗せることが出来た
そのとき、下から
『どろぼうがいるよ〜 おかあさ〜ん、どろぼうがいるよ〜』
と、子どもの声が聞こえてきた
ふと客観的に自分の姿を思うと
ずぶ濡れの上下スウェットで、暗めの色のキャップを目深に被っている
いつもは明るめの色のハットを被ってるんだけど、この日に限ってとコソ泥を絵に描いたようなファッションだ
ベランダの手すりに足をかけて振り返ると、子どもの側にいる母親が口に手を当ててまん丸い目でこちらを見て固まっている
『違うんです!泥棒じゃないです!泥棒じゃないです!鍵無くして…』
と、咄嗟に言ったら、母親が
『え、え??』
と、不審そうなので
帽子をとって、悪者じゃないですよという感じで作り笑いをした
きっとひどい顔だったろう
そして、ベランダに飛び降りると、わざとその親子に聞こえるように
『いや〜ほんと困りましたよ〜 そうそう、えっと、ここの鍵がね、たしか開けてあるはず、ん、あれ?開かないな〜 ははははは、おかしいなあ〜? ははは』
とか言ってる間に、母親は子どもの手を引いて小走りで去って行った
子どもが何度か振り返っていた、なんだか申し訳なくなって、子どもに会釈をして、手を振った
結局、部屋にあった1万円を持って駅に向かい、切符が買えて、30分の遅刻でなんとか済んだのだけど(遅刻していろんな方々にかなり迷惑かけてしまった)
現場で夕御飯買いに行ったとき、ポケットの札を数えたら、2千円足りないことに気づいた
電車賃340円だからお釣りが9千円なきゃおかしいのに、7千円しかない
切符の販売機は、お釣りのお札が全部同時に出くるので、それをそのまま折り曲げてポケットに入れておいたから、どこかで2枚だけ落ちるってことはないので、たぶん初めからお釣りが2千円足りない状態ででてきてたのだと思う
ネットで調べたら、たまにあるみたいだ
ちなみに後から言っても返金は難しいらしい
でも、そんな稀なことが起こるの、財布落とした日じゃなくてもいいよね…
なんだかこの流れには大切なメッセージがあるんじゃないかと深読みまで始めたりしちゃって、若干滅入ってたんだけど
ついさっき、財布が警察に届いてて中身も無事みたいで、ほんとにありがとう☆
すれ違う人がみんな財布泥棒に見えたあの時の自分が情けないよ
そういえば数年前に20万入った財布落とした時も無事返ってきたし
いい人もいるもんだね
めでたし
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白楽のジャズバー ビッチズブリューにて、弾き語りします
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とてもたのしみです
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横須賀にて初ライブします
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